東野圭吾の処女作。
1985年に第31回江戸川乱歩賞受賞した作品です。
このとき東野さんはまだ普通のリーマンだったんですって。
それが今じゃ直木賞作家ですからネ、人生何が起こるかわかりません。
「放課後」はある女子高を舞台にした推理小説。
アーチェリー部の顧問をしている数学教師・前島が主人公です。
物語は彼が命を狙われているという設定で始まります。
身の危険を感じる前島。彼を取り巻く女子高生達。
そんなある日、完璧な密室と思われる更衣室で
生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた・・・
いったい犯人は誰なのか?動機は何か?
入り組んだ人間関係を巧みに描きながら、真相に迫る過程が面白い。
前島に思いを寄せる陽子、頭脳明晰の雅美、アーチェリー部主将ケイ。
女子高生達のまっすぐな初々しい心、危険なまでの純粋さ、
そしてそこから生まれる殺意・・・。
さすが東野さんですね、物語の構成がとても上手いと思います。
密室トリックを一旦は暴くものの、さらにどんでん返しが待っていたり、
前半で張られていた伏線が、後半の意外なところで活きてきたり。
ほほーぅ、そうくるか!と食い入るように読み進めてしまいました。
でもネ、動機がしょうもなくて・・・(笑。
やった!謎が解けた!犯人もわかった!すっきり~。
でも動機はなんで?
って最後の最後でガクンとひざカックンされたような気分(?)。
読後感もよくなかったでした。。。
でも密室殺人のトリックや、犯人の練りに練った計画性や、
東野さんの構成力を堪能できる一冊です。
是非是非読んでみてね~。