久しぶりに横山秀夫が読みたくなって、ふと目に入った文庫本を購入。
でもコレ読んだことある本だった。がびーん。
・・・あなはよく同じ本を二度買ってしまうことがある。
題名を覚えていないからこういうことが起きるんですね。アホだ。。。
ま、内容はすっかり忘れてたんでもう一度読みました(アホ。
というわけで改めてご紹介~
この本には、表題作の「陰の季節」のほかに「地の声」「黒い線」「鞄」
の4編が収められている短編集。
4編とも県警を舞台にしたもので、横山秀夫らしい警察小説。でもやや地味め。
どのストーリーも人物や文章構成がしっかりしていて面白かったけど、
一番印象に残ったのは「黒い線」かな。
平野瑞穂という婦警をめぐる出来事を描いたもの。
彼女の作成した似顔絵が犯人逮捕に繋がり、お手柄を挙げた瑞穂。
ところがその幸福の絶頂にあるはずの彼女が失踪してしまう。
彼女に何が起きたのか?お手柄事件の真相は?
彼女の先輩婦警にあたる七尾がその謎に迫るというストーリー。
なんか女性の立場から見た警察の内情がやけに新鮮。
純粋で一途に頑張っている瑞穂の姿に胸を打つもむなしく痛々しい。
普通に仕事をしていても「女性であること」を感じることがあるけれど、
警察という男社会の中ではその実感は筆舌に尽くしがたいだろう。
「だから女は使えねえ」と捨てぜりふを吐かれた瑞穂。
彼女が精神的に壊れていく様、お手柄の裏に隠れた真実には
なんだか物悲しい苦しさが残った。
そうそう、この瑞穂の視点から描かれた続編が「顔」という作品。
瑞穂のその後が気になって、続けて「顔」も読んだんだよねー。
なのにこの忘れっぷりはどうしたことか。
こちらも胸に迫るものがあってとてもいい作品だったので、
あわせてオススメしちゃいます。
(さすがに「顔」は再購読しません。ちゃんと覚えてるもん)