うーん。


さすが直木賞受賞作、面白いとは思うけど。。。


なんか後味が悪い。


ワタシは「白夜行」のほうが好きかなぁ。


でも面白かったから紹介しちゃうけど。




天才的な数学の才能を持つ高校教師・石神は


ちょっと冴えないオタク系。


アパートの隣りに住む女性、靖子に秘かな恋心を抱いている。


物語は、ある日靖子が、訪ねて来た元夫を


はずみで殺してしまうところから始まる。


それを知った石神は彼女に協力を申し出る。


自分の言う通りに行動すれば、


完全なトリックで警察から逃げることができると。




そんな石神のトリックにふとしたことから疑惑を抱く湯川。


彼もまた天才的な頭脳を持った物理学者であり、


同時に石神の大学時代の友人でもある。


石神と湯川という天才同士の熱い頭脳戦。


石神が構築した完璧な理論に固められた完全犯罪を


湯川はどうして崩せたのか。


真相が明らかになっていくにつれ、


友人であるが故に湯川に重くのしかかる苦悩とは。


数学だけが生きがいだった不器用な石神の恋の結末とは。




石神が犯した犯罪は疑うことのできない事実ではある。


でも事実と真実は少し違う。


そこには、事実だけでは説明できない真実があって、


その計り知れない思いが、この作品を静かに支えているような気がした。


石神のうそいつわりのない純粋な愛、


彼が本当に守りたかったゆるぎない思い、


それは紛れもなく真実に違いないと思うのです。



ところで、名探偵湯川学が登場する作品としては3作目なんですって。


前作「探偵ガリレオ」「予知夢」も読んでみたくなりました。


ガリレオシリーズにどっぷりハマってしまうのもイイかも。